Cursor実践ガイド①:AIコーディングの新常識――Cursorの始め方
2026年、エンジニアの開発環境は激変しています。73%のエンジニアリングチームがAIコーディングツールを毎日使っているという調査もあるほど。その中で急速にシェアを伸ばしているのがCursorです。
VS Codeをベースにしたエディタなので、乗り換えのハードルが低い。でも中身は全く別物。このガイドでは、インストールから基本操作まで、Cursorの始め方を一通りカバーします。
CursorとVS Codeの違い
CursorはVS Codeのフォークです。見た目も操作もVS Codeとほぼ同じ。拡張機能もそのまま使えます。
決定的に違うのは、AI がエディタの中核に組み込まれている点。VS Codeの場合、GitHub Copilotなどの拡張機能を入れてAI補完を使いますが、Cursorでは最初からエディタ自体がAIと対話する前提で設計されています。
主な違いを整理すると:
| 機能 | VS Code + Copilot | Cursor |
|---|---|---|
| コード補完 | Copilotが1行〜数行を提案 | Tab補完 + 複数行の提案 |
| AIチャット | サイドパネルで質問 | エディタ内でインライン対話 |
| コードベース理解 | ファイル単位 | プロジェクト全体をインデックス |
| エージェントモード | 限定的 | フル対応(自律的にファイル操作) |
| モデル選択 | GPT系 | Claude、GPT、Gemini等を選択可能 |
インストール
- cursor.com からインストーラをダウンロード
- インストールして起動
- VS Codeの設定をインポートするか聞かれるので「Yes」
VS Codeからの移行なら、拡張機能、テーマ、キーバインドがそのまま引き継がれます。体感としては「見た目が同じで中身がパワーアップしたVS Code」です。
料金プラン
| プラン | 月額 | 内容 |
|---|---|---|
| Hobby | 無料 | 2,000回の補完、50回のプレミアムリクエスト |
| Pro | $20 | 無制限の補完、500回のプレミアムリクエスト |
| Business | $40/人 | Pro + チーム管理、SSO、プライバシーモード |
まずはHobbyで試して、使い心地が良ければProに移行する流れで問題ありません。
基本操作①:Tab補完
Cursorで一番よく使う機能。コードを書いていると、次に書くべきコードをAIが予測して薄い文字で表示します。良ければTabキーで確定。
VS Code + Copilotの補完と似ていますが、Cursorの方がコンテキストの理解が深い。同じプロジェクト内の他のファイルを参照して、命名規則やコーディングスタイルを合わせてきます。
コツ
- コメントを先に書く。
// ユーザーのメールアドレスをバリデーションと書くと、その内容に沿ったコードが補完される - 関数名を先に書く。
function validateEmail(まで入力すれば、中身を予測してくれる - Tabを連打しない。 提案を確認してからTabを押す習慣をつける。盲目的にAcceptすると、意図しないコードが混入する
基本操作②:インラインチャット(Cmd+K)
コードを選択して Cmd+K(Macの場合)を押すと、その場でAIに指示を出せます。
この関数のエラーハンドリングを追加して
このコードをTypeScriptに変換して
パフォーマンスを改善して。理由もコメントで書いて
チャットパネルを開く必要がなく、コーディングの流れを止めずにAIを活用できるのがインラインチャットの利点です。
基本操作③:サイドチャット(Cmd+L)
より詳しい説明や質問が必要なときは、Cmd+L でサイドパネルのチャットを開きます。
このプロジェクトのデータベース設計を説明して
src/auth/ 配下のコードで、JWTの検証フローを追ってくれる?
ここでのポイントは、Cursorがプロジェクト全体をインデックスしていること。「このプロジェクトで」と聞けば、関連するファイルを自動で参照して回答してくれます。新しくジョインしたプロジェクトの理解に特に役立ちます。
基本操作④:モデルの選択
Cursorでは使用するAIモデルを選択できます。2026年3月時点での主な選択肢:
- Claude Sonnet 4.6 — コーディングの精度と速度のバランスが最良。迷ったらこれ
- Claude Opus 4.6 — 複雑なアーキテクチャの設計や大きなリファクタリング向け
- GPT-5.4 — 幅広い知識。ドキュメント生成に強い
- Gemini 3 Pro — 大きなコンテキストが必要なとき
個人的な推奨はデフォルトをClaude Sonnet 4.6にしておくこと。コーディングタスクでの精度が安定しています。
.cursorrulesファイル
プロジェクトのルートに .cursorrules ファイルを置くと、Cursorに「このプロジェクトではこういうルールで」と指示を出せます。
# プロジェクトルール
- TypeScriptで記述する
- 関数はアロー関数を使う
- エラーメッセージは日本語
- テストはVitestを使用
- コンポーネントはfunctional componentで書く
- CSSはTailwind CSSを使用
これを設定しておくだけで、AIが生成するコードがプロジェクトのスタイルに統一されます。チームで共有すれば、誰のAI補完も同じルールに従うことに。
まずやってみること
- Cursorをインストールして、既存のプロジェクトを開く
- 何か新しい関数を書くとき、まずコメントで意図を書いてからTabで補完させる
- 既存のコードを選択して
Cmd+Kで「この関数を説明して」と聞いてみる Cmd+Lで「このプロジェクトの全体構造を教えて」と聞いてみる
この4つで、Cursorの基本的な体験は一通りできます。
次回の「Cursor実践ガイド②」では、Agent Modeやリファクタリング、テスト自動生成など中級テクニックに進みます。
シリーズ: Cursor実践ガイド|公開日: 2026年3月15日
