Dex実践ガイド②:営業・ネットワーキングで成果を出すDex活用術
前回はDexの基本的な使い方を紹介しました。今回は一歩進んで、営業やネットワーキングで実際に成果を出すための活用法です。人脈管理は「記録する」だけでは意味がなく、「次のアクションにつなげる」仕組みが必要です。
営業パイプラインの管理
Dexは本格的なSFA(営業支援ツール)ではありませんが、個人や少人数チームの営業管理には十分な機能があります。
タグでステージを管理する
以下のようなタグを作成して、商談の進捗を可視化します。
- リード — まだ接点を持っただけ
- アプローチ中 — 初回提案済み、返事待ち
- 商談中 — 具体的な条件交渉に入っている
- 受注 — 成約済み
- 失注 — 見送りになった
- 休眠 — しばらく動きがない
連絡先にこのタグを付けていくだけで、「今アプローチ中の案件が何件あるか」「休眠している見込み客は誰か」が一覧で把握できます。
リマインダーでフォローアップを仕組み化する
営業で一番もったいないのは、フォローアップの漏れ。Dexのリマインダーを使って、仕組みで防ぎます。
| シーン | リマインダー設定 |
|---|---|
| 初回面談後 | 翌日にお礼メール |
| 提案書送付後 | 3営業日後に状況確認 |
| 見積もり提出後 | 1週間後にフォロー |
| 成約後 | 1ヶ月後に満足度確認 |
| 失注後 | 3ヶ月後に再アプローチ |
このテーブルを自分のビジネスに合わせてカスタマイズし、Dexにリマインダーとして設定しておく。あとはDexが教えてくれるタイミングでアクションするだけ。
個人的に、「失注後3ヶ月」のリマインダーが一番効果的だと感じます。タイミングが変われば状況も変わっている。しかもほとんどの営業がこのフォローをやらないので、それだけで差がつきます。
ネットワーキングの戦略的アプローチ
カンファレンスや勉強会で名刺を100枚集めても、その後何もしなければ意味がありません。Dexを使って、ネットワーキングを「量」から「質」に変えるアプローチを紹介します。
イベント前の準備
参加予定のイベントで会いたい人がいる場合、事前にDexに登録しておきます。
- 相手のLinkedIn等から連絡先を作成
- タグに「○○カンファレンス」を付ける
- メモに「聞きたいこと」「共通の話題」を書いておく
準備があると、実際に会えたときの会話の質が全く違います。
イベント後の48時間ルール
イベントで会った人には、48時間以内にフォローアップを送るのが鉄則。記憶が新鮮なうちに、相手にも自分を印象づける。
Dexでやること:
- 新しい連絡先を作成(LinkedIn拡張でワンクリック)
- メモに「何を話したか」「相手が関心を持っていたこと」を記録
- フォローアップメールのリマインダーを翌日に設定
- 継続的な関係構築のため、1ヶ月後にもリマインダーを設定
「弱いつながり」の力
社会学者マーク・グラノヴェッターの研究で知られる「弱い紐帯の強さ」。新しい情報や機会は、親しい人よりも「たまに会う程度の知り合い」からもたらされることが多い。
Dexはこの「弱いつながり」を維持するのに最適です。親しい人には自然と連絡しますが、たまにしか会わない人は放置しがち。リマインダーで定期的に接点を作ることで、この弱いつながりを資産として維持できます。
具体的には:
- 重要だが疎遠な人 → 3ヶ月ごとにリマインダー
- 業界のキーパーソン → 相手のSNS投稿や記事にコメントするリマインダー
- 元同僚・元クライアント → 半年ごとに近況確認
メモの書き方
Dexのメモは自由形式ですが、後から役に立つメモには共通のパターンがあります。
良いメモの例
2026/3/10 ランチ@渋谷
- AI導入プロジェクトを社内で推進中。予算は取れているが人手が足りない
- 競合はA社とB社で検討中。決定は4月末の予定
- 趣味はトレイルランニング。来月の大会に出る
- → 当社のAIコンサル事例集を来週送る
ポイントは3つ。
ビジネスの状況を書く。 相手の課題、予算感、タイムライン。次回のアプローチに直結する情報。
個人的な話題を書く。 趣味、家族、最近ハマっていること。次に会ったとき「大会どうでしたか?」と聞けるだけで関係が深まります。
次のアクションを書く。 「→」で始まる行をアクションアイテムにする習慣をつけると、メモが単なる記録から行動リストに変わります。
Dex × Claudeの組み合わせ
Dexで管理している情報をClaudeと組み合わせると、さらに効率が上がります。
例1:フォローアップメールの作成
Dexのメモを見ながら、Claudeに:
先週の展示会で田中さん(○○株式会社、マーケティング部長)と話しました。
- AI活用に興味あり、特にコンテンツ生成
- 4月から予算が付く予定
- 共通の知人として佐藤さん(△△社)の名前が出た
このメモをもとに、フォローアップメールを書いてください。
自然な感じで、次回の面談につなげたい。
メモがしっかりしていれば、Claudeが文脈を踏まえた自然なメールを生成してくれます。
例2:商談準備
来週、鈴木さん(□□株式会社、CTO)と2回目の商談があります。
前回のメモ:
[Dexのメモを貼り付け]
この情報をもとに、2回目の商談で押さえるべきポイントと
想定される質問への回答を準備してください。
数字で見るフォローアップの効果
フォローアップの仕組み化がなぜ重要か。いくつかの参考データを挙げます。
- 営業の**80%**は、5回以上のフォローアップで成約に至る
- 一方で**44%**の営業担当が1回のフォローアップで諦める
- 初回接触から成約までの平均期間は3〜6ヶ月
つまり、「忘れずに連絡し続ける」だけで、ほとんどの人より上に行ける。Dexのリマインダーは、この「忘れない」を仕組みで保証してくれるツールです。
まとめ:人脈管理の本質
Dexは便利なツールですが、本質は「人に対する関心を、仕組みで持続させる」ことです。
記憶力が良い人は自然にやっていること——前回の会話を覚えている、適切なタイミングで連絡する、相手の関心事を把握している——を、ツールの力で誰でもできるようにする。それがDexの価値です。
まずは一人、「最近連絡していないけど大事な人」を思い浮かべて、Dexにメモとリマインダーを設定するところから始めてみてください。
シリーズ: Dex実践ガイド|公開日: 2026年3月15日
