Claude Code Ultraplan、ターミナルを占領せずに計画を立てる

この記事のポイント

認証サービスをセッション方式から JWT に移行する——そういった規模の計画を立てる作業を /plan に任せると、ターミナルが長い間ブロックされる。処理が終わるまで他の作業はできない。作業の規模が大きくなるほど、このコストは気になってくる。

Claude Code v2.1.91 から Research Preview として使えるようになった Ultraplan は、この「計画中のターミナル占有」という問題に対して、クラウドに処理を逃がすというアプローチで答えた。

処理はクラウドへ、ターミナルは返ってくる

Ultraplan を起動すると、Claude Code は一時的なクラウドコンテナをプロビジョニングし、GitHub リポジトリをそこにクローンしてから、Claude Code on the web の plan モードセッションとして計画を実行する。計算はすべてクラウド上で走るため、ターミナルには制御が戻ってくる。

起動方法は 3 種類ある。コマンドを直接実行する方法、通常のプロンプトの中に「ultraplan」というキーワードを含める方法、そして /plan が完了した後の承認ダイアログで「No, refine with Ultraplan on Claude Code on the web」を選ぶ方法だ。3 番目の選択肢は、一度ローカルで計画を試してみてから「もう少し深く考えてほしい」と感じたときに使える逃げ道として機能する。

処理中のターミナルには 3 段階のステータスが表示される。◇ ultraplan がリサーチ・計画ドラフト中、◇ ultraplan needs your input が確認質問待ち、◆ ultraplan ready が計画完成・レビュー待ちだ。最後の状態になったらブラウザを開く。

ブラウザ側でできること

計画が完成すると、Claude Code on the web 上でインタラクティブなレビューが始まる。特定のセクションをハイライトしてインラインコメントを追加できるほか、承認や懸念を絵文字リアクションで表現できる。計画が長大になったときのために、アウトラインサイドバーでセクション間をジャンプするナビゲーションも用意されている。

ローカルの /plan では計画全体に対して返答するしかなかったのに対し、Ultraplan では特定の箇所だけを指摘できる。「このステップの前提が変」「ここは並列化できる」といった粒度のフィードバックが、インターフェース上で可能になっている。

承認後の分岐、「テレポート」という選択肢

ブラウザで計画を承認した後、実行先は 2 つから選べる。そのまま同じ Web セッションで実装を続けてプルリクエストまで作成するか、計画をターミナルに返送するかだ。後者を Ultraplan は「テレポート」と呼んでいる。

テレポートを選ぶと、ターミナル側にさらに選択肢が現れる。

  • Implement here: 現在の会話に計画を注入して、そのまま実装を続ける
  • Start new session: 計画だけを文脈として新しいセッションを開始する
  • Cancel: 計画をファイルに保存して作業を中断する

ローカル環境にこだわりがあるエンジニアでも、「計画だけクラウドで、実装はローカルで」というフローを取れる設計になっている点が実用的だ。

ローカル /plan との比較

観点 ローカル /plan Ultraplan
実行場所 ローカルターミナル Anthropic クラウド
ターミナル占有 処理中は占有 処理中も自由に使える
フィードバック単位 計画全体に返答 特定セクションにコメント
レビュー UI ターミナルのみ ブラウザ(インタラクティブ)
実行先 ローカルのみ クラウドまたはローカルを選択
要件 なし Web アカウント + GitHub 必須

制約もある。使用には Claude Code on the web のアカウントと GitHub リポジトリが必要で、対応プランは Pro、Max、Team、Enterprise のみ。Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI、Microsoft Foundry 経由では利用できない。また、Remote Control との同時使用も非対応だ。

残る問い

Research Preview という位置づけが示す通り、まだ確かめることが残っている。大規模なモノレポで計画が数万トークンになった場合のパフォーマンスや、コンテナへのリポジトリクローンにかかる時間の実態は、使い込んでみないと分からない。

ultraplan needs your input の状態で確認を求めてくる頻度も気になる。処理をバックグラウンドに投げた意味が薄れるほど頻繁に割り込みが入るようでは、設計の旨みが半減する。

似た機能として ultrareview(マージ前のコードレビューをクラウドで行う機能)も存在する。Ultraplan と合わせると「計画→実装→レビュー」のループをクラウドが担う絵が浮かぶが、それが実際にローカル中心の開発スタイルを置き換えるものになるかどうかは、しばらく使ってみた後の話だ。


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